お役立ちコラム
2018.12.25
| 歯科衛生士についてメリークリスマス
サンタクロースは本当に居るの?
今年のクリスマスは、ちょうど3連休にあたり、ご家族ご友人、恋人との充実したクリスマスをお過ごしになったことと思います。
お天気も西高東低の気圧配置で、冬らしい気候となりました。
北日本は積雪に見舞われホワイトクリスマスになったようです。
ここ愛知県ではお天気に恵まれ、綺麗な冬らしい高い空と透き通った空気の朝でした。愛情にあふれたサンタクロースが、いろいろなシチュエーションで活躍されたことでしょう。
我が家の近所でも、男性が(恐らくお父さんが)サンタクロースにふんして、庭で潜んでいる光景を見かけました。
家の中で、サンタの訪れを楽しみにしている子供の様子が浮かぶような、微笑ましい光景でした。少しでも子供の夢を長く持たせてあげたいと思う親心ですね。
一方、我が家の中3思春期息子は、セーターが欲しいとちゃっかり母親におねだりをするかわいげのない少年に成長しました。
そんな息子にも忘れられないエピソードがあります。
それは息子が9歳の時、おませなお友達に聞いてきたのか、冷やかされたのかはわかりませんが、「サンタは居ない」とどこからか聞いてきたようで、事実を追及しだしたのです。
長年信じていたものが、実在しないのかどうか、ましてや自分は騙され続けてきたのか、事実を知りたい息子は、目に涙を浮かべて、私たち親に「本当のことを教えて!」と追及してきたのです。
自分でも「居ないかもしれない」と気付き始めているものの、確信を得たかったのでしょう、「サンタは居ない」ことの立証に懸命になっていました。
これも成長の過程なのだろうと、少し寂しくも感じましたが、親の私からは決して「居ない」とは言いませんでした。
その年のクリスマス当日、サンタを名乗る男性から例年通り電話がありました。電話を取った息子は、「ありがとうございます」と丁寧に電話を切り、目を輝かせて自分の部屋へ走っていきました。
電話の内容は「君の部屋へプレゼントを届けておいたよ」。
プレゼントを抱えて駆け寄ってきた我が子は大喜び、「やはりサンタは居た!」
しかし、一通りプレゼントの中身を確認し終わり、冷静さを取り戻すと、そんな目の輝きを見せたのも束の間・・・・、
「ママが買ってきたんでしょ」、「誰が電話してきたの?」の追求は数時間続きました。(笑)
意地悪をしているわけではないのですが、もう少し夢を持たせたいという親心と、
どのように「サンタクロース」を解釈するのかは、子供自身に任せたいと思ったのです。
現在15歳になる息子は、もちろんサンタクロースがトナカイの引くそりに乗ってやってくるとは思っていません。
私たちから事実を確認することはできませんでしたが、彼なりに落としどころを見つけたのでしょう。
そしてあと十数年後には、親になった息子が、サンタの格好をして、庭に潜むこともあるのかもしれません。そんな時私たちのことを思い出してくれると嬉しいです。
そんな、微笑ましい光景から懐かしいクリスマスのエピソードを思い出し、またある医院へ取材に行った時にクリスマスにちなんだこんなお話しを伺いました。
本日はそれをご紹介がてら、クリスマスにちなんだ、豆知識をコラムにしたいと思います。
クリスマスにちなんだ豆知識をご紹介!
クリスマスとは、一体何の日?
皆さんも、何となくはご存知ですよね?
クリスマスは英語の「Christmas」ですが、これは「キリスト(Christ)のミサ(mass)」という意味です。
他の言語で言えば、フランス語の「Noel」とイタリア語の「Natale」は、共に「誕生日」を意味するラテン語から来ています。
ドイツ語では「Weihnacht」と呼ばれ、これは「聖夜(キリストが生まれた夜)」という意味です。
これでわかりますね。つまり、クリスマスとはイエス・キリストが約2000年前にこの世に生まれたことをお祝いする日なのです。
ちなみに、12月24日はクリスマス・イブですが、イブ(Eve)はイブニングと同じ意味で「夜・晩」を表します。現代ではクリスマスの前夜ということになりますが、ユダヤの暦では日没から一日が始まったため、元々クリスマスはイブから始まっていました。
メリークリスマス!
24日、25日は、患者様にそうお声がけをする医院も多いはずです。
では、どんな意味なのでしょう?
メリーはMerry、「楽しい」とか「愉快な」という意味です。つまり、「楽しいクリスマスを!」ということです。日本的に言えば、「クリスマスおめでとう!」という感じです。
「I wish you a Merry Christmas!」、「A Merry Christmas to you!」(楽しいクリスマスがありますように!)とも言いますよね。
そんな意味があることを念頭に、心を込めて患者様にお声がけすると、何か伝わり方も変わるかもしれませんね。
クリスマスツリーにも意味があるんです!
近年は、11月に入ると商業施設はもちろんのこと医療機関までもが、クリスマスの装飾で華やかになりますね。
街に出れば、冷たい冬の凛とした空気の中、キラキラと輝く冬のイルミネーション。LEDの普及のせいか年々、技術の進歩を背景にレベルアップする演出で、見る人を感動させてくれます。
では、クリスマスと言えば? 何色を思い浮かべますか?
「緑」「赤」でしょうか。
実は、それにも意味があるそうなんです。
「緑」の代表と言えば、クリスマスツリーに使われるもみの木、常緑樹です。「常緑」、つまり強い生命力を持って一年中葉を茂らせる緑の姿は永遠を表し、さらに神の永遠の愛や、イエス・キリストが与える永遠の命を象徴しています。
日本でも、お正月やお祝い事によく使われる、松や竹、南天なども常緑樹で、永遠に栄えるなどの意味を持つ事はご存知の方が多いはずです。
「赤」の代表と言えば、ツリーのリボンや装飾品、さらにはサンタクロースの衣装など、クリスマスには赤色が多く使われますね。赤は、イエス・キリストが私達に永遠の命を与えるために十字架にかかって死にましたが、その際に流した血を表しているそうです。
日本ではどのように普及したのでしょうか?
日本のクリスマスの歴史を簡単にご紹介します。
最初のクリスマスは、だれもが歴史で習った覚えのある、1549年(天文18年)にフランシスコ・ザビエルが日本に上陸したその年からクリスマスを祝うようになったそうです。
皆さんはどのように感じられましたか?
私は、こんな戦国時代からクリスマスを祝う日本人がいたことに驚きました。さらに驚きは「クリスマス休戦」と言われるものがあったとか、なかったとか・・・・、
下剋上の戦国の世にも、クリスマスによって、一時平和の輪を囲むことがあったというのです。
それは、フロイスの『日本史』によると、1566年(永禄9年)頃、堺で敵対する二つの軍勢の中からキリシタンの武士たちが集まり、「あたかも同一の国守の家臣であるかのように」仲良くクリスマスを祝ったとされています。これが「クリスマス休戦」と呼ばれるそうです。
このように、鎖国前はキリスト教徒の増加に伴い、信者の間でクリスマスがお祝いされるようになっていきました。
1612年(慶長17年)に禁教令(キリスト教禁止令)が発布された後も、長崎の出島では「オランダ冬至」と称してクリスマスが祝われていました。
鎖国が終わり、1873年(明治6年)にはキリシタン放還令により、クリスマスが解禁。
翌1874年(明治7年)、東京第一長老教会に所属する原胤昭らにより、日本人の手による最初のクリスマス・パーティが行われたそうです。
ここで日本初のサンタクロースも登場したそうなのですが、純日本風でやろうという考えだったため、カツラをかぶり、殿様姿だったとか・・・、さぞ滑稽なサンタクロースだったのでしょうね!
そのうち、明治後期になると、キリスト教信者ではない日本人のあいだにもクリスマスが浸透していきました。
1892年(明治25年)、正岡子規の句に「くりすます」という言葉が登場します。子規はさらに、1896年(明治29年)に「八人の子供むつましクリスマス」という句を詠んでおり、こうして「クリスマス」という言葉が、俳句の世界で初めて認められたカタカナの季語となりました。
1904年(明治37年)、銀座のキリンビール明治屋では、すでにイルミネーションが点灯。
1910年(明治43年)、創業したばかりの不二家から、日本独自のクリスマス・ケーキの原型となるものが発売されました。
1927年(昭和2年)、大正天皇祭として12月25日が祝日(1947年までの間)となったことで、クリスマスの習慣がさらに広く普及していったと言われています。
1928年(昭和3年)の朝日新聞には、「クリスマスは今や日本の年中行事となり、サンタクロースは立派に日本の子供のものに」と書かれました。
第二次世界大戦中は影を潜めましたが、戦後すぐに復活し、全国の一般家庭でクリスマスが祝われるようになって、現在に至ります。
調べてみると、日本でのクリスマスの歴史は、思ったよりも古く、長い歴史の中のどの時代でも、やはり人々に笑顔と幸せをもたらしていたことがわかりました。
クリスマスにプレゼントを贈る習慣
クリスマスにプレゼントを贈る習慣は、幾つかのことから来ているそうです。
その中でも、新約聖書(マタイによる福音書)にはこのように書かれています。
クリスマスはイエスの誕生日です。それでは、イエスにバースデー・プレゼントをあげてはどうでしょうか。「でも、どうやって?」
イエスは、次のように言いました。「わたしの兄弟であるこれらの最も小さい者のひとりにしたのは、すなわち、わたしにしたのである。」(マタイによる福音書 25章40節)
つまり、困っている人を助けたり、誰かに優しくすることは、つまりイエスに対してしていることとなり、さらには、その行為こそが、イエスにバースデー・プレゼントを贈ることなのです・・・と言っているのです。
そうです、その親切、親愛なる人に喜びを与えることから、クリスマスにプレゼントを贈る習慣が始まったのです。
とても素敵な一節ですね!
この一節は、イエスの言葉ではありますが、誰もが感じることではないでしょうか?
自分の大切な人が、喜びや幸福を感じること、それは自身の喜びにもなり、時には直接自身に与えられた喜びよりも、大きな喜び、幸福感となります。
現在では、誕生日プレゼントを贈るように、クリスマスにもプレゼントを贈る事が慣例になっています。
もちろんそこには、バレンタインデーと同じように、商魂たくましい各種業態の狙いがあったことは否めないことも知っています。
事実その経済効果は大きく、一般社団法人日本記念日協会によれば、近年のクリスマスの経済効果は約7,000億円と発表されています。
それでも、私個人は、誰かの喜ぶ顔を想い、プレゼントを選ぶこと、そして家族や親愛なる人との集いを設けることは、やはり素敵なことだと思っています。
多くの引き出しを作ること ~患者様に寄り添うきっかけ作りに~
ここまでは、クリスマスにちなんだ豆知識をいくつかご紹介してきました。
次に、取材に伺った医院でのこんなエピソードをご紹介します。
先日、稲沢市にある 大里デンタルクリニックを訪問させて頂きました。
医院に入ると、まず受付スタッフの方のサンタ姿に目が留まりました。さらに診療室内に入ると、歯科衛生士さんはもちろんの事、歯科医師の先生までもがサンタに扮していたのです。
真剣に歯科治療に当たっている、歯科医師の先生が、ましてや男性の先生までもが、サンタの帽子を被って治療に当たっている姿は、正直お似合いだとは言い難い光景でした。
しかし、院長先生にこのような取り組みについて伺ってみると、こんなお話が伺えたのです。
「はじめは、小さいお子さんの為に、今年から試みたことなんです。しかしやってみると意外に、大人の患者様からの受けが大変いいんですよ!」と。
さらにこう続きました。
「いつもあまりご自分のことをおはなしされない、難しい患者様が、『先生、お似合いですね、可愛いですね』などお声をかけて頂き、長年診ていた患者様でも、これをきっかけに、お話できた患者様が本当に多いんです!」と意外な成果に驚いているご様子でした。
以前、「患者様に寄り添う歯科衛生士」というコラムを書かせていただきました。
今回ご紹介した大里デンタルクリニックさんでは、クリスマスイベントを医院全体で企画することで、患者様と寄り添うきっかけを作ることができました。
これは同じように、皆さんが患者様とのコミュニケーションのきっかけとなる話題を持つこと、その引き出しを多くすることも、患者様の心を開くきっかけ、一助になるはずなのです。
そう考えれば、歯科医療もサービス業の要因があると私は考えています。
多くの引き出し作りをすること、少し視野を広げ、時には掘り下げて物事を広く知る、観る、聴く ことも、歯科衛生士のお仕事として大事なことなのかもしれませんね!