お役立ちコラム
2020.03.09
| 歯科衛生士のスキルアップ歯科衛生士としてこどもに伝わりやすい話し方とは
何となくこどもの扱いは苦手だな・・・と感じている歯科衛生士の方も実は多いのではないでしょうか?
怖がらずに上手にできる子もいれば、泣いてしまって診療台にも座れない子もいますよね。
ここでは子どもと会話する際の、ちょっとしたテクニックをご紹介いたします。
話し方
子どもに対する話し方は、使用する単語、文の作り方、発声方法に工夫が必要です。
保護者の方がどのような単語を使って話しかけているのかをよく観察してみましょう。保護者の使用している単語に近い言葉で会話をしていくと、おのずと円滑にコミュニケーションがとれることでしょう。
それでは実際に使用する単語、文の作り方、間の取り方、発声方法に分けて紹介していきたいと思います。
使用する単語
多くのご家庭で、ごはんを「まんま」、寝ることを「ねんね」、車を「ブーブー」、犬を「ワンワン」・・・などと教えているのではないでしょうか?
幼稚園に通う頃になると、使用する単語はそれぞれの家庭により差があると思いますが、それらの赤ちゃん言葉は減っていき、代わりに幼児語をつかってコミュニケーションを図るようになります。
例えば「よく噛んで食べてね」を、モグモグやカミカミ、パクパクと、言い換えて伝えた方が分かりやすいでしょう。
また、「おてて(手)」や「おみみ(耳)」、「お絵描き」「お片付け」など「お」をつけた言い方をしたりもします。
他には、拭くことを「ふきふき」、歯を磨くことを「シャカシャカ」、お口を開けることを「あーん」など、たくさんありますよね。
このように、子どもの年齢に応じて使用する単語は変化しています。
文の作り方
文の作り方としては、子どもが混乱しないように、一度に伝える情報は少なくします。また、大人を例にとってみると分かるように、話が分かりやすい人は簡単な言葉を使っていることに気付きます。
子どもの立場で物事を考え、子どもが理解しやすいように必要な情報だけを選び、話はコンパクトに整理してみましょう。
「今日は治療をしてから歯磨きの練習をして、頑張った最後にはガチャガチャを引いておしまいね」と長い説明をすると聞き取ることが出来なくなってしまいます。
「ソラナビちゃん、こんにちは。 今から、先生にお口の中、見てもらおうね♪」・・・など、短い文に区切って伝えてみましょう。
間の取り方
短い文に区切ることと同時に、子どもに『注意して聞いて欲しいこと』を伝えるには、『間』がとても大事です。
一瞬でも子どもたちに想像させる、考えさせるような場面でもその間は必要になります。
表現するのが難しいのですが、子どもと上手に接する歯科衛生士さんの間の取り方をじっくり観察してみると、色々な気づきがあると思うので、ぜひ意識してみましょう。
発声方法
幼児向けのテレビ番組やアニメが参考になると思いますが、みな、大きな口を開け、ゆっくり、そして明るくしゃべっています。
その話し方のほうが子どもに伝わりやすいとご存知なのでしょう。
低い声ですと子どもたちに届きにくいことがあるので、地声が低い歯科衛生士の方は特に伝えたいことがある場合、意識して声を高くしてみるといいでしょう。声に抑揚をつけることで、さらに伝わりやすくなります。
また、子どもたちの状況を見ながらわざと小さな声で話したり、3歳くらいの子どもですと、言葉で理解できなくても手を振ったりしてジェスチャーなどでわかることもあります。
話すスピードや選ぶ言葉を変えることができれば、子どもたちは振り向き、心に響くかもしれません!
子どもに問う
特に子どもを惹きつけたい時、一方的にこちらから話すよりも、なるべく子どもたちから声を引き出すようにすることも有効でしょう。
例えば、普段の話し方を「これは何だ?」とクイズ形式にして、子どもたちから声が出るように仕向けることで、自然とこちらを向く子どもが増えてきます。
一般的に言われる、落ち着きのない子にも使えるので、ぜひ試してみてください。
まとめ
こう話すと正解!子どもが惹きつけられる、という明確な正解はないように思いますが、歯科衛生士の方が楽しい気持ちで話しかけることが出来れば、それが子どもにもきっと伝わることでしょう。
子どもといえど1人の患者さんです。苦手と言わず、寄り添ってあげてください。
また、歯科医院に来て何をされるのか分からず戸惑い、怖がってしまうのは大人も一緒のことです。
保護者の方に対しても、お子さんのことを心配されていると思うので、どんな治療をしていくのか、分かりやすく説明することも大切です。
こちらもあわせて、是非取り組んでみてはいかがでしょうか?