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お役立ちコラム

2018.12.18

| 歯科衛生士について

患者様に寄り添う歯科衛生士をめざして

歯科衛生士のお仕事とは

一般の患者様からよく質問されまませんか?

「歯科衛生士と、歯科助手さんは何が違うの?」と。

両者とも、歯科医療従事者ではありますが、大きな違いは、医療行為ができることです。
そしてそのための、国家資格を有していることです。

 

歯科衛生士は、患者様に対して歯科予防処置・保健指導・診療補助などの歯科医療行為を行う専門職です。
仕事内容は大きく分けると三つあり、三大業務といわれます。

その中でも、患者様の歯の健康を支え、さらには生涯の健康寿命を支える、歯科衛生士の大切な仕事は、歯科予防処置、一般的には「予防歯科」と呼ばれています。

 

予防歯科の重要性

近年、厚生労働省の指針でも、歯科での予防処置が、全身の健康を維持するために重要な役割があると認められ、保険点数の改定からもその役割を年々感じることができます。

事実、トヨタ関連部品健康保険組合と豊田加茂歯科医師会の共同調査によると、歯の定期ケアをしてきた人は、痛みなどがある時だけ歯医者に通院した人に比べ、65才で約15万円の総医療費(全身に係る医療費)の差が出ることも発表されています。

特に大人が歯を失う最大の原因が歯周病で、現在、35才以上の日本人の約8割が罹患していると言われています。
虫歯のような、歯の痛みが出ていないか方でも、該当してる方は多いのです。

 

歯周病とは 

これは、歯を支えている組織(歯茎・歯根膜・歯槽骨・セメント質)に起こる、さまざまな症状の総称を言います。

「歯は痛くないから、自分は違う!」、「虫歯はないから、歯医者にいかなくてもいい!」なんて豪語している患者様もよくいますよね。

毎日、ご自宅で歯磨きをしていても、通常の歯磨きではなかなか歯の汚れは取り切れないものです。その落としきれなかった汚れが、歯茎に歯垢(プラーク)となって溜まり、歯茎が腫れる歯肉炎から始まり、放置しておくと歯周炎に・・・・。

こうなると、歯と骨をつなぐ歯根膜が溶け、歯周ポケットと呼ばれる隙間ができ、そこにさらに歯垢(プラーク)がたまる。さらに悪化すると歯槽膿漏(しそうのうろう)になり、歯を支える歯槽骨が溶けて歯が動揺するようになり、抜けてしまいます。

また、患者様にはなかなか知られていないのですが、歯周病菌の毒素が、全身に悪影響を及ぼします。歯周病菌が血液中に入ると、以下のような重篤な生活習慣病を引き起こ起こすこともわかっています。

 

●バージャー病
●骨粗鬆症
●低体重児出産
●早産
●アルツハイマー型認知症
●心臓病
●脳梗塞
●糖尿病
●動脈硬化
●肺炎

 

歯周病の細菌がつくる毒素は全身の健康に悪影響を及ぼします。
特に心臓病のリスクは通常の3倍、骨粗鬆症の進行リスクは通常の2倍、低体重児出産リスクは通常の7倍以上、高齢者の死因に多い誤嚥性肺炎の要因にもななります。

このような、リスクを患者様へ説明し、ご理解いただく・・・・、
その予防歯科の担い手は、歯科医師よりも歯科衛生士であり、そして私自身も多くの歯科衛生士さんとの面談を通して聞くのは、歯科衛生士として一番やりがいを感じる業務の一つだということです。

では、どんな歯科衛生士をあなたは目指しますか?

 

歯科予防処置とは

患者様が、ご自宅で丁寧に歯磨きをされたとしても、必ず磨き残しによるプラークが残ります。そこから原因菌が時間の経過とともに増えていくので、3~4ヶ月に1回の健診で、定期的に増殖した菌をリセットする必要があります。

● 口腔内の健康状態のチェック
● ブラッシングのチェックや改善指導
● 歯のクリーニング(歯石の除去)

通常、多くの歯科医院では、歯科衛生士が主体となり、担当患者様を受け持って、長期にわたりこのような予防歯科を行っていきます。

 

しかし、少し考えてみてください。

あなたは、患者様の口腔内だけを診ていませんか?

 

本当に大切なこと

患者様の定期検診(歯科予防処置)を行う際、あなたは 口腔内だけを診ていませんか?

歯石の付着、歯茎の腫れ・・・・・

歯茎が腫れているのを見ると、すぐに「フロスを提案しなきゃ!」、「お口のお掃除(歯石除去)をしなきゃ!」そう思い込んでしまいがちです。でも、一度立ち止まって考えてみてください。

「そもそもなんで歯茎は腫れているのだろう?」と。

 

「歯茎が腫れている、出血がある=フロス、スケーリング(歯垢除去)」

と公式に当てはめるだけでは、本当の歯周病予防にななりません。

絶対に見逃してはいけない要素があります、それが「免疫」です!

先にも上げましたが、現在、35才以上の日本人の約8割が歯周病に罹患していると言われています。
症状の軽い重いはありますが、8割の患者様が歯周病菌を保持しているということです。

主訴が「歯茎の腫れ、痛み」だとしても、プラークコントロール(歯垢の発生を歯磨きなどで予防すること)が本当の原因なのでしょうか?

患者様を長く診ていると、突然歯茎の状態が悪くなることもあります。そんな時に患者様からお話を伺っていくと、

「実は愛犬が亡くなって・・・」、「先月から転職したんですよ。」、「先週まで胃腸風邪を引いていて・・・」、「恋人と別れてしまって・・・・」、「家族の介護で睡眠不足です。」など、プラークコントロール以外のメンタルや生活環境に問題がある患者様が多いものです。

何らかの理由で免疫力の低下を起こすと、急に悪化して歯茎の痛みなどの症状が起こることがあります 。
インフルエンザではなくても、風邪や疲れ、ストレスでも免疫が低下し、歯茎の腫れや痛みなどの症状が出てくることがよくあるのです。

疲れて身体の調子がすぐれないときに歯茎がムズムズする・腫れるという方の歯茎は、細菌が悪さをしていることが多いと言えます。疲れたり寝不足になったりすると免疫が落ちて、ふだん押さえ込まれている細菌が暴れ出して痛みを増強させます。そして体調が戻って免疫力が復活すると歯茎の痛みが治まる・・・・、

「やっぱり虫歯じゃなかった!」と安心してしまう患者様も多くいらっしゃいます。
しかし、細菌がなくなったわけではありません。疲れると歯茎が腫れるのは細菌がたまっている証拠!
もしも疲れたときに歯茎が痛んだ経験がある方は、きちんとケアをする必要があります。そういったことを、患者様に伝えてご理解していただく、それが患者様に寄り添う、歯科衛生士ではないでしょうか?

例えば・・・・・・・

「最近、いかがですか?」 そんなお声がけから、始めてください。

「最近、お仕事がお忙しかったですか?」

「最近、インフルエンザが流行っていますが、○○さんは大丈夫でしたか?」

「新年度になりましてね、新しい学校は慣れましたか?」

こうやって患者様と寄り添ってお話を伺っていくこと、これが確実に歯を守るための第一歩なのです!

 

それなのに、歯茎の腫れや出血だけを診て・・・・・・、

「歯茎が腫れてますよ、本当にしっかり歯磨きしていましたか?」

「歯石が溜まっています、もう一度、歯磨き指導をしますね」

など、患者様に寄り添うことなく、口腔内の状態だけを診て、患者様にこのような言葉を掛けてしまう・・・、

これでは患者様のモチベーションは下がってしまします。

「毎日歯磨きしていたのに・・・・」、「教えてもらった通り歯磨きを頑張っていたのに・・・・」など患者様の予防歯科へのやる気を削いでしまうかもしれません。

 

 

患者様のお話を伺って、患者様に寄り添っていく・・・・・・、

「お口と身体は繋がっているんですよ!」
しっかり歯磨きをされていても、免疫力が低下することで、歯茎の状態は悪くなることあるんですよ!と患者様にご説明して、まずは生活環境や食生活を見直してもらい、体調を整えてもらうことをお勧めしてください。そうすれば患者様も安心して、口腔ケアへのモチベーションも下げることはありません。
その結果、あなたに患者様がついてきてくれる、慕われる歯科衛生士になれるのです。

患者様と信頼関係を築き、定期的に歯科に通院していただくことが、患者様のお口の状態を良くし、QOL(Quality of life「生活の質」「生命の質」)を改善する結果となります。

そして長期にわたり患者様を診させていただくことが、歯科衛生士としてのあなたのやりがいと礎になるのではないでしょうか!

 

 

患者様に寄り添う 歯科衛生士をめざして!

Soraナビも、皆さんを全力でお手伝いします!!