お役立ちコラム
2019.02.14
| 愛知・岐阜・三重の歯科衛生士愛知県の歯科衛生士さんが足りない?統計から見えてきた問題点
はじめに
全国でも歯科衛生士不足が問題が話題となって久しいですが、ここ愛知県にとっても歯科衛生士の不足は著しく深刻な問題であり、歯科衛生士の確保が全国でもかなり厳しい県と言えるでしょう。
もともと保守的な土地柄の愛知県では、結婚や出産とともに歯科衛生士としてのキャリアに終止符を終えられる方も多いのでしょう。また、育児などが落ち着き復職しようにも、新しい機材や診療方法への不安から歯科衛生士としての復職にためらいを感じている方が多くいらっしゃるようです。
そんな状況を改善するべく、愛知県歯科医師会は歯科衛生士再就業プログラムとして研修会や歯科診療所の臨床見学も可能なプログラムを行っています。ここでは皆さんに愛知県の歯科衛生士の就業状況を分かりやすくご説明します。
基礎的データから見える愛知県の歯科衛生士についての状況
歯科医院数は全国4位
厚生労働省が毎月発表している「医療施設動態調査(毎月末概数)」という統計によると、愛知県内にある歯科医院は3729軒と、東京・大阪・神奈川と続いて全国で第4位に位置しています。
ちなみに岐阜県は959軒で第20位、三重県は834軒で第23位となっています。最下位は鳥取県の261軒でした。
厚生労働省発表「医療施設動態調査(平成30年5月概数)」
3.都道府県別にみた施設数および病床数のデータよりSoraナビ作成
就業している歯科衛生士数は全国7位
厚生労働省が2年ごとに発表する統計データ「衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」の最新版を見ると、愛知県で就業する歯科衛生士の人数は5675人と全国で7番目に多い結果となりました。
歯科医院の軒数が全国4位であるのに対し、就業している歯科衛生士の人数が全国7位であるので、この結果からも愛知県の歯科衛生士は不足していることが分かります。
ちなみに岐阜県は2595人と全国13位、三重県は1939人と全国20位という結果でした。
厚生労働省発表「平成28年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」
統計表3「就業歯科衛生士・歯科技工士・歯科技工所数、都道府県別」よりSoraナビ作成
人口10万対就業歯科衛生数から見えてくる、深刻な不足状況
平成28年時点の各都道府県の人口10万人に対する歯科衛生士就業人数を同調査より算出すると、愛知県は76人で全国44位という結果となりました。
全国平均98人をかなり下回っており、これは愛知県民の口腔衛生を司る歯科衛生士が全国平均に比べ3割も少ない、ということです。
東海3県に限定してみても、岐阜県の人口10万人に対する歯科衛生士数128人、三重県の人口10万人に対する歯科衛生士数107人と比較して愛知県の歯科衛生士数の少なさは明らかであり、歯科衛生士の人材確保は急務であると言えるでしょう。
課題はあるけど、過去10年間の伸び率は全国1位!
平成18年から平成28年の厚生労働省発表「衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」を各都道府県でまとめてみたところ、愛知県のここ10年間で就業歯科衛生士数は2780人から5675人と約2倍増加していることが分かりました。
また、愛知県の歯科衛生士数の伸び率が2.04倍であるのに対し、他の都道府県と比べてみると全国で最も急速に歯科衛生士数が増えていることが判明しました。全国平均が1.42倍ですので、かなりの倍率であることが分かります。
ちなみに岐阜県の歯科衛生士数の伸び率は1.39倍で19位、三重県の歯科衛生士数の伸び率は1.47倍で13位という結果となりました。
おわりに
いかがでしたか?歯科衛生士は、歯科医療において欠かせない存在であり、歯科医師の重要なパートナーでもあります。
過去10年間の就業歯科衛生士数の伸び率が全国1位とは言え、愛知県の歯科衛生士不足問題はまだまだ深刻な状況とも言えるでしょう。
今後ますます力を入れて取り組むべき課題であり、なかでも結婚・出産・子育て等によって一度リタイアした「未就業者」をいかに復職支援・サポート出来るような体制づくりや職場環境が整備されるかがポイントとなってくると思われます。
歯科衛生士不足問題を解消することは、愛知県民の方々が良好な歯科医療を受けられる環境が整い、結果として健康寿命の向上につながります。
Soraナビも少しでもこの課題について貢献できるよう、愛知県にいる歯科衛生士さんがきちんと働きやすく、それぞれの条件に合った歯科医院のお仕事情報を皆さんにご紹介していきたいと考えております!
なかなか働きたいと思える歯科医院がないとお考えの方、ブランクがあって復職をためらっていらっしゃる方、ぜひSoraナビにご相談ください。