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お役立ちコラム

2019.06.01

| 歯科衛生士について

予防歯科の豆知識~咀嚼について~

6月は歯科の繁忙期! 「歯と口の健康週間」

 

歯科医療従事者であれば、誰もがご存知でしょう、6月4日から10日は「歯とお口の健康週間」。

日本歯科医師会の啓発活動の一つです。

2019年度の実施要項

目的は下記の通りです。
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この週間は、歯と口の健康に関する正しい知識を国民に対して普及啓発するとともに、歯科疾患の予防に関する適切な習慣の定着を図り、併せてその早期発見及び早期治療等を徹底することにより歯の寿命を延ばし、もって国民の健康の保持増進に寄与することを目的とする。
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小中学校でもこれに合わせて歯科の検診の結果が渡され、必要とされた場合には、歯科への受診と報告が求められます。そのため歯科医院では、1年を通して最も忙しくなる月なのです。

もちろん、虫歯治療も大切ですが、歯科衛生士による歯磨き指導や予防歯科の大切さを伝えていくことも非常に大切な役目となります。

今回のコラムは、以前掲載した予防歯科の大切さに引き続き、この繁忙期の6月だから今一度知っていただきたい「咀嚼の効果と重要性」をご紹介させていただきたいと思います。

歯周病にも効果あり!
しっかり噛んで予防歯科に務めましょう

 

現代の日本人が1度の食事で「噛む」回数は、約600回と言われています。“600回”と聞くと、さぞかし多いように感じられるかもしれませんが、昔に比べると激減しているのです。戦前は1度の食事で約1,400回、さらに昔の弥生時代にまで遡ると、なんと約4,000回も噛んでいたと言われています。食べ物そのものや、食文化の変化の影響があるとはいえ、これほどまでに噛む回数が減ってくると、私たちの体に何らかの問題が生じても不思議ではありません。実際に、噛む回数が減ることによって、現代人の体にさまざまな悪影響が出ていると言われています。特にその代表的なものが現代病ともいえる、肥満と歯周病です。

ダイエット効果

「早食いをすると太る」というのは、言い換えれば「しっかり噛まないと太る」ということ。では、なぜ噛む回数が少なければ肥満につながるのでしょうか。

噛むという行為は、脳の中にある満腹中枢を刺激します。満腹中枢が刺激されることで、人間は食事での満足感が得られるようになります。しかし、噛む回数が少なければ、いくら食べても満腹中枢への刺激が足りず、満足感が得られません。したがって、必要以上に食べる量が増えてしまい、肥満につながるというわけです。「ついつい食べ過ぎてしまう…」という方は、さっそく今日から噛む回数を増やしてみましょう。

予防歯科

噛む回数が減ることで起こる、もうひとつ悪影響は歯周病です。
歯周病とは、大切な歯を支える歯茎と骨が、口の中の細菌の繁殖などによって炎症を起こしたり、腫れたりする病気です。以前のコラムでもご紹介しましたが、驚くことに日本人の成人の約80%が歯周病にかかっているというデータがあります。歯周病のリスクを少しでも減らすためには、毎日の歯磨き、そして歯科医院での定期的な口腔ケアをすることも大切ですが、もう一つよく噛むことが大切です

噛むことで、口の中で増えた唾液は消化を助けるだけでなく、口の中の細菌を洗い流す役割も果たしています。噛む回数が減った現代人に、歯周病が増えているという理由がこれでお分かりいただけると思います。歯と歯茎の健康を保つためにも、しっかり噛むように心がけましょう。

その他、「噛むこと」によって得られる8つの効果があると言われています。

「よく噛むこと」で得られる8つの効果

1.ダイエット効果(肥満予防)

2.予防歯科(歯周病予防)

3.味覚の発達

よく噛むと食べ物は細かくなり、唾液と混ざり合うことにより、食べ物本来の味がわかるようになります。

4.言葉の明瞭化

よく噛むと口や顎の筋肉が発達し、言葉もはっきりと、きれいな発音ができるようになります。また、表情も豊かになります。

5.脳の発達・活性化

よく噛むと、顎の筋肉の働きで脳への血流が良くなり、脳の細胞を活性化します。よく噛むことは子どもの脳の発達を促し、高齢者では認知症の予防になります。

6.がんの予防

唾液に含まれる酵素が、食べ物に含まれる発がん物質の発がん作用を消す作用があるといわれています。一口30回以上噛んで、食べ物を30秒以上唾液に浸すと効果的と言われます。

7・胃腸の働きを助ける

よく噛むと食べ物はより細かくなり、また、消化酵素が多く分泌され、食べ物を消化、吸収しやすくなります。そのため、胃腸に負担がかからず、胃腸を丈夫にし、栄養の吸収も良くなります。また、自律神経系の安定にも影響します。

8.全力を出す

歯や歯肉を健康にし、顎の筋肉の働きを良くすることで、力を出す時にしっかり食いしばることができ、本来の力を出し切ることができます。

 

このように、よく噛んで食べることは、体の健康にいいことばかりです。

よく噛んで食べるためには、ゆっくりと食べること、お茶や水で流し込まないことが大切です。歯応えのある物を、栄養バランスを良く考えてゆっくりよく噛んで食べましょう。

 

咀嚼は唯一意識的にできる消化活動
鍛えるのは咀嚼筋!

様々な場面で、ベスト・パフォーマンスを実現できる食べ方の極意のひとつに「よく噛むこと」・・・・。

ベストパフォーマンスとは、スポーツ競技上のことだけを言っているわけではありません。

様々な場面で、あなた自身の力を発揮するとき・・・
それは仕事であったり趣味であったり、時に人生をかけた分岐点など、どんな場面でもベスト尽くせる、それが人生をより楽しく充実させてれる大切なことです。

そのためには、体つくり「身体は資本」です。

 

多くの方は、「何を食べるか」が体つくりの重要ポイントだと思っていませんか?

実は何を食べるかということ以上に「どのように食べるのか」も、私たちのベストパフォーマンスにとって欠かせないことなのです。

しかし、残念なことに多くの方は、

「咀嚼は意識的にできる活動なのに、多くの人が無意識のうちに噛んでいる」のです。

筋肉には、随意筋と不随意筋があります。
例えば心臓の筋肉は自分の意思では動かせない不随意筋で、手足の筋肉のように自分の意思で動かせるのが随意筋と言います。

そして、ものを噛むときの咀嚼筋は、後者である自分の意識で動かすことのできる随意筋にあたります。

咀嚼で唾液が十分に分泌されることによって、その他の消化液(胃液やすい液)や胆汁が分泌されます。咀嚼は消化吸収システムにスイッチを入れる役割をもっているのです。内臓の機能は、ほとんどが無意識的に行われます。消化器官を鍛えようにも、胃や腸を意識的にトレーニングすることはできません。

周りにこんな面白い言い訳をする人はいませんか?

「胃腸を鍛えるために、噛まずに飲み込む!」なんて・・・
胃腸は咀嚼する臓器ではありません。噛まずに飲み込んで胃腸を働かせるなんていう言い訳をしている方がいたら、まったくの間違えです。

胃腸を鍛えるには、バランスの良い食べ物をよく噛んで、消化酵素により吸収しやすい栄養素として分解し、胃腸で吸収されてこそ、丈夫で健康な胃腸を育てることができるのです。

そんななか、咀嚼だけが、意図的に消化機能を鍛えることにつながるのです。

何を食べるかを気にする人は多いのですが、どんなに体にいいものを食べても、それが体内でしっかり消化吸収され、エネルギーや血肉にならなくては意味がありません。何を食べるかだけでなく、どう食べるかも非常に重要と言っていいでしょう。

私たちは食べ物の栄養素にばかり目をとらわれがちです。もちろん食育も非常に大切なことなのですが、しかし、体にいいものを食べることが奏功するのは、食べ物をきちんと利用できるように消化されてこそなのです。

そのために唯一、意識的にできることが「よく噛む」こと。

そしてあなたのベストパフォーマンスを実現できる極意の一つなのです!

 

Soraナビも応援しています!

今回のコラムでは、予防歯科にとっての「咀嚼」の重要性と効果について書かせていただきました。

この「歯と口の健康週間」にこそ、歯科衛生士の皆さんに知っていただきたいトピックスです。歯科による患者様の健康維持について、また一つ引き出しを増やしていただけたら光栄です。

 

この繁忙期、「忙しい」と過ごすだけではなく、「お役に立てた」そんな風に、やりがいと充実感を持って、お仕事ができるといいですね。

私たちSoraナビも応援させていただきます。

歯科衛生士のみなさん、頑張ってください!!