お役立ちコラム
2019.09.27
| 歯科衛生士のスキルアップ最初の5秒が要!選ばれる歯科衛生士さんの心理学
一度与えた第一印象をやり直すチャンスは二度と訪れない
この言葉は、
「You never get a second chance to make a first impression.」
というアメリカのことわざです。
人は、初対面の相手の印象を、ほんの3~5秒で決めると言われています。
しかも、その第一印象をその後も長く記憶され続けているそうです。
これは「初頭効果」と言われ、1946年に印象形成の実験を行ったポーランド出身の心理学者ソロモン・アッシュ氏によって提唱された心理効果です。
アッシュの実験の内容
ある人物の性格に関する形容詞を、二つのグループの被験者たちに見せます。
A知的で、勤勉で、衝動的で、批判的で、頑固で、嫉妬深い人
B嫉妬深くて、頑固で、批判的で、衝動的で、勤勉で、知的な人
気づきましたか?
並ぶ言葉は同じですが、見せる順番だけが違うのです。
その結果、Aの順番で形容詞を見たグループは、その人物に好意的な印象を持ちました。
反対に、Bの順番で形容詞を見たグループは、悪い印象を持ちました。
Aのグループは「多少の短所はあるが能力のある人物」、反対にBのグループは「能力はあるがマイナス面が足を引っ張っている」という印象が残る結果となりました。
言葉は同じなのに、目に入る順番が違うだけで、印象が大きく変わってしまうことが判明したのです。
話の内容<第一印象
この実験から分かるのは、いくら話の内容が素晴らしくカウンセリング手順通りにできても、第一印象が悪ければ、患者さんが話に耳を傾けてくれる可能性が低い、ということです。
これは非常にもったいないことでもあります。
しかし、逆に考えれば、第一印象さえ良い印象を与えられれば、話の内容がそんなに深くなくても、患者さんの印象に残すことができます。
「自分は口下手で…」なんて普段感じている方、話の内容が無くても問題ありません。笑顔と明るい挨拶で第一印象を良くすることに努めれば、案外、患者さんとの距離が近くなるかもしれませんよ。