歯科医院に務める皆さんへ
新型コロナウイルス感染拡大の局面に置いて、感染リスクの高い状況下でお仕事をされている皆様に、まずは敬意と感謝を申しあげます。
コロナブルーになっていませんか
飛沫感染のリスクも高い環境で、各医院ごと対策を取っていると思いますが、皆さんの診療にあたる不安を考えると、メンタルのご負担も大きかと思います。
Soraナビへも、診療自粛のため3ヶ月間の休診となったとご相談のお電話をいただいたり、勤務時間が減ってしまい、転職をお考えになる歯科衛生士さんからのご登録が非常に増えております。
忙しい日常生活から一変、外出の自粛のみならず仕事までできなくなってきている方が多い中、毎日のように流れてくるのは、感染者数と自粛を呼びかける切迫したニュースばかり・・・・・。
このような不安と緊張の渦の中で家に籠もる毎日で、憂うつを意味する「コロナブルー」という造語まで生まれました。
本日のコラムは、そんな悲痛な状況下、ゴールデンウィークを迎え、少しでも皆さんのサプリメントになればと思います。
わたし、疲れてる?
読売新聞で4月11日に衝撃的なニュースが発表されました。
「「疲」「ストレス」「鬱」つぶやき急増…コロナ疲れ鮮明に」という記事をご覧になりましたか?
東京大学の鳥海不二夫准教授が1月~4月の3ヶ月間ででつぶやかれたツイッターのうち、「疲」、「ストレス」、「鬱」という文字がどのくらいあるか調べた結果が発表されました。
コロナがさほど騒がれるまでの1月では、「疲」という文字を含んだツィートは1日に2000件もつぶやかれません。しかし、2月にコロナニュースが増えるにつれて、徐々に「疲」を含んだツィートは増え、そして2月27日、すなわち全国で一斉休校が発表された日には一気に8,000件近くもツィートが増えました。
その後、さらに3月25日の小池百合子東京都知事による緊急記者会見で一気に1万件に。その後も、志村けんさんの死去や安倍首相による緊急事態宣言などの影響もあり、常に1万件を超え続けているそうです。
家でじっとしているのに、なぜコロナによる疲労感がたまるの?
家から出かけず過ごしているのに、なぜかコロナによる疲労感(コロナ疲れ)を感じる…。
「医師や看護師の皆さんは、もっとコロナ感染のリスクと隣り合わせで働いているし…」
「私なんて、仕事も少なくなり普段よりも自宅で過ごす時間が長いのに…コロナ疲れなんて失礼だ」
などと自分を責めたりしている人はいませんか?
それは誤った考え方です。
「何もしていない」のではなく、日常生活が奪われ、できなくなっているのです。
コロナ疲れを感じるのは自然なことであり、そのメカニズムを知ることはコロナ疲れを癒す第一歩となります。
コロナ疲れのメカニズムを知る
満員電車で通勤して疲れる。仕事をして疲れる…。
でも、5日ほど働けば必ず休みはやってきます。
私たちはこれまで、休みの日にショッピングに行ったり、美味しいものを食べに行ってリフレッシュすることで、日頃の疲れを解消していました。
しかし、そんな私たちの毎日はコロナ感染症の拡大に伴い、唐突に奪われました。
多くの会社でテレワークが進められ、自宅勤務の人も増えてきたと思います。
確かに、自宅で過ごすことが増え、朝早くから満員電車に乗って通勤することに比べたら疲れないはずなのに、なんで疲れるんだろう…。
そう不思議に思う人も少なくないでしょう。
コロナ疲れを説明する考え方のひとつに、「自己制御理論」の考え方があります。
自己制御とは、何かの目標のために自分の行動を律することです。
しかし、緊急事態宣言後、「外出自粛」の合言葉の元、自分の制御を解放できる機会が無くなってしまいました。
たまに自分を甘やかして、エネルギーを補充しながら頑張ることで、人は目標を達成できます。そして頑張ることができます。
自己制御のエネルギーがないなかで頑張り続けていたら、無理が生じてしまうのは当然なのです。
それでも緊急事態宣言解除予定の5月6日を目標に頑張っていましたが、このゴールデンウィークを前にして、緊急事態宣言も1ヶ月程度延長される方向で、調節されていることが発表されました。
いつ抜けるのかわからないトンネルの中、私たちはいつまでもエネルギーを補充できないまま、家でじっとしているのです。
また、こんな方もいらっしゃるのではないでしょうか?
自分が加害者になったらどうしよう・・・・。
新型コロナウイルス感染者は誰もが被害者ですが、誰かの加害者にもなり得ます。
病気への不安と恐怖は適切な危機管理につながるものの、強すぎる警戒心は感染者に対する非難や嫌悪につながってしまうこともあります。
また攻撃的な言動が増え、周囲の不安感や恐怖感を育ててしまう可能性もあるでしょう。
感染拡大の状況が気になるところではありますが、四六時中報道を追いかけているだけでは気持ちが落ち込んでしまうばかりです。
「なにもしていない」と自分を責めることなく、ご自身のメンタルのメカニズムを理解することから始めてください。
近視眼的な見方は意外とうまくいかないことが多いものです。
エネルギーの回復方法
先にも言いましたが、何もしないことにも、エネルギーが必要なのです。
エネルギーの回復方法は至ってシンプルです。
休憩や睡眠、音楽を聴いたり、ゆったりと美味しいものを食べるなど好きなことを楽しむことです。
ただ、コロナの不安が常にまとわりついている今、本当にリラックスして休憩や睡眠をとるというのは難しいかもしれません。
エネルギーを回復させるのなら、コロナを忘れるぐらい没頭できる楽しいこと、あるいは集中できるものを探すのをおすすめします。
閉塞的な毎日は心をむしばみます。ですが、このぽっかりと空いた時間は、忙しさにジャマされず、やりたかったことに熱中できる絶好のチャンスでもあります。
そうです、「絶好のチャンス到来!」そんな風に「できない」のではなく、
「できる」を見つけるのです。
多忙すぎた世界で与えられた休息だと思えば、やれることはたくさんあるはず。 大人だからできる、今しかできない取り組みに挑戦してみましょう。
絶好のチャンス到来! 大人の過ごし方をご紹介
まずは、周りを見渡してみてください。
前から挑戦したくて、用意したもののそのままになっているものはありませんか?
気になって買ったのに、一度もあけていない本がそこにありませんか?
いつも目を伏せて、やりっぱなしのものないですか?
もしくは、やってみたいけど、時間を理由に挑戦できなかったこと、ありますよね?
「絶好のチャンス到来!!」です。
私のおススメをいくつかご紹介します。
掃除のチャンス!
部屋がキレイになると、心もスッキリするものです。
まずは、長い家籠もりも気持ちよく過ごせる部屋をつくっていきましょう。 SNSや動画では、汚れをごっそり落とせる、簡単掃除術がたくさん紹介されています。
身近にあるものや、意外なものを使った掃除法が多く、その方法を見ているだけで掃除欲が膨らみます。
時間がかかるからと後回しにしていた、水回りの水アカやレンジの油汚れ、窓枠のカビ取りなどに挑戦してみましょう。
衣替えのチャンス!
ゴールデンウィークは、お天気にも恵まれる予報です。
衣替えの季節、今年は特に断捨離も兼ねて、しっかりクローゼットを見直すのもいいですね。また、クローゼットの模様替えもおすすめです。
普段は衣替えするだけで一杯いっぱいでしたが、今年は時間が見方をしてくれます。使い勝手が良くなるように、配置や収納の仕方を工夫したり、また家族の定位置も、これを機に考え直してもいいですね。
また、意外にあるがままになっているのが、スーツなどの仕事着。クリーニングに出しているから問題ないという方も、シーズンものの保存方法などを見直してみましょう。
カビや虫食い対策はできていますか?
もう着ないのに、クローゼットに入りっぱなしの服はありませんか?
また、時間がないので、ついついクリーニング店にまかせっきりだった方は、動画などを参考に、のり付けやアイロンを自分でしてみるのもオススメです。
お部屋をおしゃれに☆ 模様替えのチャンス!
長く住んでいる家は、意外にいらないものが隠れています。まずは思い切って断捨離をして、同時に模様替えをしてみましょう。
インターネットでは、「お金をかけずにオシャレ部屋にする方法」や「ルームレイアウトの実例」などが検索できます。
また、物づくりが好きな人はDIYに挑戦してみるのもいいですね。
必要なものはネットで買えるので、自粛中も外出の必要なし!
部屋の雰囲気が変わると気分も変わりますよ。
お料理上手のチャンス!
仕事をしていると、お料理のメニューもルティーン化になってしまいます。
毎日同じではないですし、工夫はしているものの、やはりいつもつくるものは同じ・・・・。
そうです、これを機会にあなたの得意料理を増やしましょう!
インターネットでは多くのお料理サイトがあります。最近では、文字で読むレシピではなく、動画で観えるレシピも多く、楽しく簡単に挑戦できます。
「ダイエットになるおいしいレシピ」や「材料が少なくてもつくれる、簡単&おいしいレシピ」、「お酒に合う絶品レシピ」など、テーマを決めて研究してみましょう。
人がいまわの際まで持ち続ける、ただ一つの欲は、「食欲」だといわれています。
それだけ、食べることは人の身体と心にとって必要なことなのです。 ぜひこの機会に、おいしいものを食べる幸せに加え、つくる楽しみも覚えたらハッピー感倍増ですね。
家族団らんのチャンス!
日頃、土日ともなればそれぞれの用事で、家を不在にすることが多いですよね。
お仕事を忙しくされている皆さんであれば、なおのこと、週末は予定が多いはずです。
しかし、不要不急の外出を控える今、久々に家族団らんの時間を楽しんでみてはいかがですか?
おススメは、アナログな遊びです。
テレビゲームやゲームアプリではなく、あえてアナログのゲームを一緒に楽しみましょう。
家族のコミュニケーションが密になったりとメリットがたくさんあります。
また昔遊んだアナログなゲームがありませんか?
人生ゲームや、オセロ、トランプなど・・・、
また時間のある子どもの頃好きだった、プラモデルを久しぶりに挑戦してみるのもいいですね。
久しぶりにやってみると、思い出もよみがえり、楽しいものです。
ルールを思い出したり、夢中になっていくうちに、大人も時間を忘れて楽しめるでしょう。
読書のチャンス!
世の中にはたくさんの価値観があり、それぞれに意味があります。
自分の世界が広がると、自分の殻に閉じこもろうとする思考が拓けていきます。
また、ビジネスの知識が蓄えられていくことで、いわゆる「デキる人」に近づくだけでなく、お休み中も仕事への意欲が失われにくくなるでしょう。
日ごろ、ルーティーンに追われて先送りになっていた、自己啓発をぜひこの巣ごもりの時期をうまく活用しましょう。
仕事を見つめなおすチャンス!
毎日、忙しくお仕事をされている皆さんは、惰性で毎日をお過ごしではないですか?
あなたの居場所は本当に正しいですか?
あなたの力は発揮できていますか?
こんな大変な時に、後ろ向きなことを考えてはいけません。
前向きに、そしてステップアップのための転職を心の片隅でお考えだった方には、この機会にさまざまな医院の情報を集めるのも良いチャンスかもしれませんね。
Soraナビにも、4月から多くの転職のご相談があります。
しかし実情、募集を見送っている医院も多くあります。
募集はしていても、面接を見送っている、面接待ちの医院もあります。
しかし、情報を集めておくことはできますし、現在も通常通り診療している医院も多くあります。
もちろん募集をしている医院も多くありますので、焦らずゆっくりと転職をご検討できるチャンスにしてください。
Soraナビでは、様々な医院特集をしております。
是非この機会にご覧ください。
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最後に・・・・
歯科医院にお勤めの皆さんは、感染リスクが非常に高い環境で頑張っていらっしゃいます。
患者様のお痛みに寄り添い、そして笑顔で治療に当たっています。
4月20日には、 NHK朝イチで「コロナ対策には口腔ケアが大事」という内容で、口腔ケアをすることで免疫が有効に働くことが放送されました。
また、4月27日には、日本歯科医師会からも医療崩壊防止に向け、歯科医師がPCR検査体制に協力することが明らかになりました。
「何もしていないのに、そんなことを言ったら申し訳ない・・・」
そんな風に気負う必要はありません。
私たちは、私たちにできることをするのです。
エネルギーを回復する様々なご提案をご紹介しましたが、もしあなたが、夜なかなか眠れない、どんなことにも興味や関心を持てない、食欲が落ちてきた(あるいは食べ過ぎてしまう)などの状態に陥っていたら、コロナ疲れがコロナうつに悪化している恐れがあります。
その場合は、臆することなく、心療内科クリニックなどの専門機関への受診・相談もおすすめします。
様々なリスクを抱えながら、今も、そしてこれからも頑張る皆さんを、Soraナビは、心から応援してます。