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お役立ちコラム

2020.09.22

| 歯科衛生士のスキルアップ

あなたはどう働く?これから来る「人生100年時代」に向けて

超高齢社会に突入した日本

「人生100年時代」とは、ロンドン・ビジネス・スクール教授のリンダ・グラットン、アンドリュー・スコットによる『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略』(東洋経済新報社)の中で提唱された言葉です。

この本では、寿命の長期化によって先進国の2007年生まれの2人に1人が103歳まで生きる「人生100年時代」が到来するとし、100年間生きることを前提とした人生設計の必要性が論じられています。

厚生労働省によると、2018年の日本人の平均寿命は81.25歳(香港・スイスに続いて第3位)、女性は87.32歳(香港に続いて第2位)で過去最高を更新しました。

日本は2007年にとっくに超高齢社会へ突入しました。人口に占める65歳以上の人の割合が21%を超え、さらには2008年には人口減少が始まっており、今後高齢化はますます加速していくことが予想されます。

2065年には、全人口の約25%が75歳以上の後期高齢者になり、高齢化率も38%を超えるとの推計が出ています。日本の高齢化率は世界でも大変高く、今後もハイスピードで進んでいく見込みです。

政府は2017年に「人生100年時代構想会議」を発足し、人生100年時代を見据えた経済社会システムを創り上げるための政策のグランドデザインを検討する会議として、平成29年9月に設置され、9回にわたって議論が行われました。

いままでの人生設計は役に立たない

これまでの人生設計は、就職して40年ほど働きながら資産形成をし、60代で定年を迎え、引退後は悠々自適というのが理想とされてきました。しかし、人生100年時代を迎えると、65歳で定年を迎えたあと100歳まで35年。その35年をどう稼ぐのかを真剣に考えなければいけません。

現実的に、それまでの蓄えで暮していくことは難しく、またその時には年金制度も今後どうなっているのか正直わかりません。加えて少子化も進み、高齢者も社会の担い手として参加していかなければいけないでしょう。

総務省によると、2人以上の世帯における1ヵ月あたりの消費支出平均額は、世帯主が65歳以上の世帯で約25万円、70歳以上の世帯で約24万。つまり、65歳で退職し100歳まで生きると仮定した場合には65歳からの5年間で約1,503万円、70歳からの30年間で約8,533万円、合計して約1億36万円の支出になることが予測できます。これは食費などの生活に必要な出費額なので、ここに余暇などの金額が加わるとさらに負担が大きくなります。

この金額を果たしてあなたは老後も稼ぐ自信はありますか?もし病気になったり働ける職場がなかったり。。70代や80代になっても必ず稼げる保証はどこにもありませんよね。

歯科衛生士の仕事だけじゃ厳しい

皆さんは何歳まで歯科衛生士として働く予定ですか?
平成27年に愛知県歯科医師会が実施した「歯科衛生士就業実態調査」では、愛知県の歯科衛生士の就業・勤務の実態を調査しました。その結果、歯科衛生士として働いている人数は、35歳〜40歳未満で139人、40歳〜45歳未満で155人いるのに対して、45歳〜50歳未満で33人、50歳以上で20人となっています。つまり45歳を超えると、様々な理由から歯科衛生士として働くのが困難になってくることが結果から分かります。

歯科衛生士は国家資格ですし、就職場所(歯科医院)もたくさんありますが、体力や記憶力も必要となってきます。若い20代、30代、40代はバリバリ働けても、50代、60代はどうでしょうか?70代や80代は歯科衛生士として働くことが難しくなってくるでしょう。

人生100年時代に備えて、いまからできること

これから、私たちは何を準備すれば良いのでしょうか?

それは、歯科衛生士としてのキャリアを積みつつ、60代以降のキャリアプランを考えながら、資格をとったり語学を勉強したり自分だけのスキルを磨くことだと思います。今後、「定年制度」が無くなったり「兼業・副業」が解禁になったり、今までの企業、職場という概念が柔軟に変化していくことでしょう。そのような中で、皆さん歯科衛生士さん達が1つのスキルやキャリアだけでずっと働き続けられるかは疑問です。将来の予期せぬキャリアチェンジに備え、70代80代になっても働けるような知識・経験・キャリアを積むことが私たちにできることです。

初めにトライするのは身近なことから

勉強や資格、副業もキャリア形成には役立ちますが、なかなかハードルも高く、働きながらだとなかなか続かないのが現実です。もっと気軽にできることから始めると続きやすいかもしれません。具体的には趣味のスポーツや地域のボランティア活動などへの参加などが1番身近です。普段の仕事とは全く違う環境下に身を置くことで、普段とは違う学びにつながります。

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