お役立ちコラム
2019.03.20
2040年問題、歯科衛生士として生き残るためには?
あなたは2040年問題を知っていますか?
2040年には人口構成が激変し、特に生産人口(15〜65歳)の減少が加速し、高齢者人口が4000万人とピークに達し、総人口の3分の1を超えると推計されております。
(2020年には高齢化率が29.1%となり、2040年に36.1%で3人に1人となると予測されています。)
介護が必要とされる85歳以上(85歳以上では50%が介護を必要とするとされている)の人口はそのうちの4分の1の1000万人と推計されています。
歯科衛生士という仕事は、果たしてこの近未来で「食べていける仕事」なのでしょうか?
2040年における医療系職種需要予想ランキング
週刊ダイヤモンド「20年後も医学部・医者で食えるのか?医歯薬看の新序列』では、医療を改革する担い手で、実現し得るレベルの変化を織り込んだ近未来予想図を持つだろう人物らにアンケートを実施、53人の回答から医療者等19職種の需要の予想を発表されました。
歯科医師は2位、歯科衛生士は8位
歯科診療所は約6万900に上り、コンビニの数より多いと言われる昨今、全国では歯科医師数も診療所数も飽和状態。
歯科医師は今や稼げない医師職の代表格として世間一般に認識されています。
歯科衛生士需要予想(%)
本誌では歯科衛生士の需要が減る理由として、
⑴技術進化に伴う業務の効率化
⑵ICT,loTの進化
⑶対象となる患者人口の減少
⑷ロボティクスの進化
を挙げています。
※ICT⇒電子カルテによる患者情報の管理や病院間での情報共有、ネット回線を使用しての遠隔医療など
⑴⑵AI、ICT、VR、ロボティクス…
人間の手の限界を超えた緻密な操作や作業が可能なロボット支援手術は2018年4月、さまざまながん種や心臓外科の手術で公的健康保険の対象になりました。
ロボット装置の開発競争が今後ものすごく速いスピードで繰り広げられ、人口知能技術も加わればさらに進化していくでしょう。
⑶対象となる患者人口の減少
2040年には超高齢化社会になり、医療が進むことにより延命または寝たきりの患者が増えることが予想されます。
患者は急性期から慢性期へ、医療機関から介護施設・在宅へとシフト。
訪問介護サービスや通所介護施設、グループホームなど、時代とともにますます多様化する現場。
今後は患者が診療所に集まってくるのではなく、医療者側が施設に出向いたり、在宅患者をケアする方向へシフトチェンジするのではないでしょうか?
歯科衛生士プラス付加価値
需要減の理由⑷「ロボティクスの進化」とありますが、今後は生身の人間にしかできない付加価値やサービスがプラスαで必要になっていくのではないでしょうか?
例えば、歯磨きをした方がいい患者に『歯磨きをしなさい』『ここの箇所が歯磨きできていない』と伝えるだけの無機質なロボット。
モチベーション向上のための普段の会話や何気ない世間話、食生活の工夫の仕方などをしてくれる生身の人間とでは患者さんの治療成果に差が生まれます。
今後は治療というよりトータルケア、サービスという色がポイントになっていくのではないでしょうか?
歯周病に対する意識は高くなる
「対象となる患者人口が減少する」という理由もありましたが、口腔衛生が全身の健康に深く関わっていることが分かり始めている中、歯周病対策の需要は2040年まで継続的に増加する可能性があると考えられています。
口腔ケア領域、歯周病に対する領域を今後も広げていくことができれば、歯科衛生士への需要への増加も期待されます。
2040年を生き抜くために
いかがでしたか?迫りくる2040年という近未来で、今までの歯科衛生士としての働くスタイルがもしかしたらがらっと変化しているかもしれません。
「こんなはずじゃなかった…」ということにならないよう、今から「私にしかできない」歯科衛生士としての付加価値を身に着けていくべきかもしれません。
患者さんの様々なニーズを探り、栄養学や美容・介護などの知識や資格を身に着け、AIができない唯一無二のサービス・ケアができる歯科衛生士は必ず2040年以降も重宝されるはずです!